グリーン、ゴー!

”了解したからその方針でいく”


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ガクブル島旅日記その8

Oblivion 2008-03-17 21-40-16-71

人の冒険者たちは、私たちのことは見えていないようだ。
「財宝はどこだ」とか、「またガセネタか?」とか、そんな会話が聞こえる。

「先ほど申し上げました問題というのは、彼らの来訪です。
 彼らを始末しない限りXedilianの扉は閉ざされたままです。私でさえ開けることは出来ません」
別段困った様子はなく、むしろ楽しんでいるかのようなおっさんの声が聞こえた。

「あの…これは一体…?」
わけがわからず、青白いおっさんに振り返り疑問をぶつけた。






 
Oblivion 2008-03-17 21-37-52-00

おっさんはその質問を待っていたかのようにニヤっと笑い、楽しそうに説明を始めた。
「Xedilianは、二つの哲学を研究するための実験施設です。
 ManiaとDementia…二つの狂気の哲学に基づいたトラップを配置した部屋を3つほど用意してあります。
 Mania哲学(Manic)は精神を、Dementia哲学(Demented)は肉体を…
 左右のスイッチを押すことで、そのどちらかを崩壊させる罠を起動させます。
 どちらにせよ、彼らの冒険はここで終わります」

「…そんなこと出来ません。やりたくないです」

「そんなご遠慮なさらなくとも。それに、先ほど申し上げた通り彼らを始末しなければ扉は開きません。
 また、彼らを呼び寄せたのは貴女様の功績でもあるのですよ」

「あたしが…?どういうことです?」

「レゾネーターを起動させると、ある魔法も発現されます。
 その魔法は、愚かな人間をこの遺跡に引き付ける効果があります。
 さながら、航路を進む船団を惑わし難破させるセイレーンの歌声のようなものですな」

「そんな…」

ニタニタと笑いながらおっさんは続ける。

「彼らは「招かれざる客」ですが、ここを訪れたことによって実験体としての価値を得ました。
 気にすることはありません。これはひとつのショーなのです。
 貴女様は存分にリラックスして、ワイン片手にスイッチを押すだけ。
 結末は同じですが、貴女様がシナリオを選ぶことの出来るショーだと思ってください」


ショーって…。あぁ、これもそういうゲームなんだ。話に引き込まれて見失ってた。
そうだ、私は旅行に来て、それで色んなショーを見てたんだ。
王都で偉い人に命令されてここに遣わされたのも一つのゲームみたいなものだったんだ。
よくよく考えると、ここまで見た風景や出来事も良く出来た擬似映像のような気がしてきた。
最近のテーマパークは凄いなぁ…。



「なぁんだ、そういうことですねっ♪」

「そういうことでございます。
 では、この『変換の部屋』の罠について説明させて頂きます。
 部屋の中央に小さな小さなGnarlが呆然と佇んでおりますでしょう?」

「Gnarl…あの木のお化けみたいな奴ですね。あっホントだ、いるいる。かわいいー」

「Manicのスイッチを押すと、Gnarlが巨大化し、彼らに襲い掛かる幻覚を見せ付けます。
 夢の中で喰い千切られた精神は、幻覚から覚めるとその違和感に倒錯します。
 死んだはずなのに、死んでいない。現実感を失った精神は、肉体の中で朽ちていきます。
 
 Dementedのスイッチを押すと、Gnarlの大群が発生し、彼らを蹂躙します。
 対処しきれないほどのGnarlに慄き、逃げ惑う彼らを眺めるのはとても愉快だと思いますよ。
 こちらはわかりやすい肉体的な死をもたらします」



うーん、どうしようか。
いくらショーとはいえ、無残に殺される姿を見てもあまり楽しいものではない。
ここはManic哲学に基づいた精神崩壊トラップを作動させることにした。



カチッ




Oblivion 2008-03-17 21-40-32-65

ブボボ モワッ…と緑色のガスが部屋に充満する。

「あれは幻覚作用を引き起こす胞子ガスでございます。彼らが夢を見る助けとなるでしょう」

へぇ…ホントに凝ってるなぁと思いながら眺めていると、Gnarlの巨大化が始まった。




Oblivion 2008-03-17 21-40-42-12

2倍、3倍と膨れ上がる怪物。
完全に油断していた彼らにとってこの迫り来る脅威は相当なものだったらしく、
まともな戦闘態勢をとったのはリーダー格のオークだけだった。










Oblivion 2008-03-17 21-40-45-81

強い幻覚に支配されたのは、弓を持ったローグだった。
ガタガタと震え、後ずさりも出来ずに祈りの言葉を叫び散らしていた。


Gnarlがゆっくりと振り向き、ローグを睨み付ける。それに気づいたローグは一心不乱に逃げ惑う。

「うわぁぁぁああああ!か、神よ!うわぁぁああああああ!!」

「おい、落ち着け!!こんなのなんでもねぇぞ!しっかりしろ!」

オークが彼を奮い立たせようとするが、声は届いていないようだった。
彼が見ている幻覚は相当なものらしく、感覚だけが受ける痛みに叫び声をあげる。

 …うへー、やっぱいい気分じゃないな。











Oblivion 2008-03-17 21-41-02-21

あまり楽しめずに眺めていると、Gnarlとガスが霧散していく。終わったのかな?



緑ローブの男が肩で息をしながら言う。
「ハァハァ、一体なんだったのでしょうか」

「わからん。が、ただのこけおどしだったようだな。おい、大丈夫か?」

オークの戦士がローグのほうに目を向けると、彼は呆然としていた。
持っていた弓を落とし、膝がガクっと落ちる。







Oblivion 2008-03-17 21-41-13-17

ローグの男はその場にうずくまり、ブツブツと呟く。
「わ、私はいったい…?腕を引きちぎられ、腹をえぐられ、そして…」
彼を支配しているのは、自分が殺された感覚だ。
『あぁよかった、夢だったんだ』と、安心できるような浅い幻覚ではなかった。


オークが困惑する。
「おい、どうした!…い、いったいコイツはどうなっちまったんだ!?」

「むぅ…どうやらかなり錯乱しているようですが…」

「クソッたれ!おい、先に進むぞ!コイツは帰りに拾っていく」

ローグを残し、次の部屋に進む二人。
この部屋の罠は大成功だったようだ。





「これ、あと二人も同じようにやるんですよね…?」
恐る恐るおっさんに尋ねた。

「左様でございます。もちろん、次の部屋でも彼らの運命を操るのは貴女様の決断でございます。
 ご安心くださいませ。」

何をご安心すればいいのかわからないが…。

「うーん、まぁいっか」
せっかくのゲームなので割り切って楽しむことにした。

「さて、次の部屋へ先回りいたしましょう。こちらでございます」








Oblivion 2008-03-17 21-42-02-50

「この部屋は、『貪欲の部屋』でございます。彼らはとうとう財宝の山を発見します。
 絶対に開くことのない檻の向こう側にね」

ヒヒヒ、と笑うおっさん。

部屋を見ると、なるほど確かに目が眩むような宝の山が積まれている。

「仲間の一人を失った彼らにとって、財宝の発見はまさに悲願達成、歓喜の瞬間でしょう。
 檻の中にあるにも関わらず、彼らはすでに手中に収めたと思い込んでしまいます。」


そんな話を聞いていると、冒険者たちが部屋に入ってきた。
早速財宝を見つけ、歓声をあげ駆け寄ってくる。

うーん、普段の自分も、傍から見るとあんな感じなんだろうな…。





Oblivion 2008-03-17 21-42-31-20

財宝の前で喜び合う冒険者たちを冷ややかな目で見ながら、青白いおっさんは続ける。
「Manicの罠はそこに付け込み、彼らに数百個の偽の鍵を提供します。
 欲に心を奪われた者は、合致しない鍵を延々と試す行為に耽るでしょう。
 Dementedの罠は至って単純。檻の前に仕掛けられた爆発トラップが作動し、彼らを燃やし尽くします。
 業火に焼かれながらも財宝に手を伸ばそうとする滑稽な姿が見られることでしょう。」




…どっちもえげつない。





Oblivion 2008-03-17 21-43-04-42

なかなか檻が開かないことに苛立ったのか、声を荒げてオークが言う。
「クソ!ビクともしねぇ!錠破りはアイツの仕事だってのに!アイツがしっかりしてりゃあ…!」

「むむむ…相当頑丈ですね。この鍵穴に合う鍵が、どこかに隠されているのでしょうか」



…やはり、殺すのだけは躊躇する。
普段から山賊の首を刎ねたり凍結させた後に蹴り砕いたりしている自分だが、それとこれとは別だ。
偽鍵のスイッチを押す。

カチッ。



カンカンカン…と、薄い金属がぶつかり合う音が部屋に響く。
冒険者たちもそれに気づき、何事かと辺りを見回す。




Oblivion 2008-03-17 21-43-10-92

どばどばどばー!っと、大量の鍵が滝のように降り注いだ。

緑ローブの男が駆け寄り、叫ぶ。
「お、おぉぉ!鍵です!この中にあの檻を開ける鍵が!」

オークは至って冷静だ。
「待て!そいつはどう考えても罠だ!」
うーん、さすがリーダー格は違う。





Oblivion 2008-03-17 21-43-36-34

「おい、もうよせ!俺たちはまんまと罠に嵌ったんだ!俺たちを弄んでるだけだぞ!」

「やった!やった!こ、この鍵…いや、こっちの鍵に違いない…!ひひ…ひひひ…これで、これで…」

「バカ野郎!勝手にしろ!俺は行くからな!」

と、一人で先に進むオーク。


「またしても大成功ですな。さてさて、次の部屋に参りましょう」

う~ん、クラクラしてきた。
ショーだろうがなんだろうが、彼らの精神を崩壊させたのは私であって…
幻覚を見せられているのは、夢の中にいるのは、もしかしたら私のほうなんじゃないのか…
もしそうなら、非常に嫌な夢だ。ストレスでも溜まってるのかな…。

そんな事を考えていると、『さぁさぁ』と最後の部屋へと促される。
なんにせよ、この冗談がキツすぎるショーもあと一人で終わりだ。
明日は、もうちょっと明るくて可愛らしい出来事に出会いたいな…。
テーマ : Oblivion    ジャンル : ゲーム

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